第77話「夜叉丸の考え」
文字数 1,156文字
ーPM4時50分ー
《神境二番通り》
カンカンカンカンカン―――――――
あれから開かずの踏切の遮断機が上がることはなかった。
夜叉丸は何かを語ることもなく、戻って行ったのだが····
何故か今日もまた開かずの踏切前に来て何をするわけでもなく、目の前の踏切を見つめたまま突っ立っていた。
少女が夜叉丸に声をかけようとしたその時···、また1人、別の男性が踏切の前まで歩いて来たようだった
開かずの踏切にやって来たのは、今や《十全浄霊》で有名な、陰陽師の「伊吹 逢馬」(いぶきおうま)だ
更には、何かを一人で納得したかのようにボソッと呟いた和服の女性も姿を現した。
少女は咄嗟に電柱の影に隠れて様子を伺った
そう言うと、イタコの末裔である十朱 真那(とあけまな)は、自身の眼に視えている踏切内の全ての現象を語り始めた