第151話「番外編∶久々の再会」
文字数 1,722文字
廃炉はいつもの如く競馬場に来ていた
そして、いつもの如く全財産を―――――――···
と、その時、観客の大歓声が上がった
イカタル*さんがお側に居てくれたからだと思うッス····
イカタル*さんは勝利の女神ッス
ワ、ワタシにとっての··ですが···
···す、スミマセン
最近はちょっと忙しくて――――
それでは、ちゃんと配当貰って帰って下さいね!私はまだ残っているイカ焼きを売る必要がありますので!
もしご迷惑でなければ···、この後お時間頂いても宜しいですか····?
いや···、最近忙しかったと言うのは本当の事だったッスが···
この頃の廃炉はカルラからの命令により、人魚の肉をいろはに喰わせると言うミッションの為、鬼女を使って計画を実行しなければならなかった
しかし、鬼女のカルラへの裏切り行為とその後の夜叉丸出現に依って、計画が大幅に狂ってしまった廃炉は後始末に追われる事となる
その為、本当にバタバタと忙しい日々を送っていたのである
(ワタシとて、いろはさんよりもイカタル*さんの側に行きたかったッス···)
私なんかが、廃炉さんへ怒るなんて····そんな資格はありませんから
·········
(でも···結局の所、友達以上恋人未満な立場の私には····)
··········
(ワタシが鬼である以上、この想いを告げる事はとても困難ッス····)
(今ほど人に生まれたかったと思った事は無いな···)
···そう言えば、廃炉さんに聞いていなかったのですが··
廃炉さんには恋人や、お好きな女性なんていらっしゃらないのですか?
····あっ!
やっぱり!いいです···聞かなくても大丈夫···です
(私は何を聞いているんだろう··、こんな質問をして、また困らせてしまったら本当に嫌われてしまうのに··)
ワタシは···、貴方意外の女性に興味など持ち合わせておりません···ッス!
だったらどうして言ってくれないんですか··?
とイカタル*ちゃんは言いたくて仕方がなかったが、廃炉には廃炉の事情があるのかもしれないと、言葉を飲み込んだ
そう言うとイカタル*ちゃんは一人で歩いて行ってしまった―――――
残りのイカ焼き···、廃炉さんに渡すの忘れたぁ〜〜···
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)