第22話「謎のお姉さん」
文字数 1,395文字
－PM8時40分－
《住宅街》
····大丈夫？
傷口見せてみな？
あ···、だ、大丈夫です··
うーん···
··大丈夫な様には見えないんだけど
····いろは、ごめんよ
ホシ猫さん···、大丈夫です
··········
·············
ほっとけよ、直ぐ様治るだろーが
···あんたね、男のくせに自分の女も守れないわけ？
はあぁぁっ？！
誰が俺の女だって？！
····え、
ちょ··
大体ねぇ、来るの遅すぎなんだよ！
こんなに酷い傷負わせて····っ
って、···あ、あれ···？
···········
えっと···あの、
私はもう大丈夫···ですので···
(···傷が殆んど治りかけているわ)
根本的に悪ぃのは、ホシ猫てめぇだぜ！
夜叉丸···っ
その女の匂いを辿ってる途中で、マタタビが置いてあったからって鼻をこすり付けやがって！
····なるほど
(完全にトラップにかかってるわ)
···そんな事を言われても、ホシ猫は猫なんだ。マタタビの力に逆らえるものか
そんなんだから、匂いを辿れなくなって鬼を逃がしちまったんだろーが！
も、もうっ喧嘩しないでよ～！
ｹｯ
···ところで、君は始めましてだね
いろはを助けてくれて有り難う
あら、始めまして！
いいのよ、たまたま通りかかっただけだったからね
因みに、その脅威的な力の源は君の目玉から出ているようだけれど····
········あら
(こいつは何者だ···？妖力がダダ漏れしている所を見ると明らかに百鬼の類いだろうが··)
貴方は仙狸(ｾﾝﾘ)でしょ？
すぐに分かったわ
···そうだよ
そして、あんたは····
···ふーむ、何だか不思議な存在ねぇ
·····俺は普通の鬼だ！
鬼····？へぇ···、そうなの？
あ、あの···、貴方は一体···？
もしかして貴方も人間ではないんですか？
ふふ、どうかしらねぇ···
あっ、そうだわ！
これから知人の家に行く所だったんだけど、貴方達も一緒にいらっしゃいよ
え·····？
《黒崎家》
ちょっと黒鉄ー
··············
··············
··············
黒鉄ったら！
来てやったわよ！！
····聞こえとるわ
そんなに叫ぶな狐
おや、いらっしゃい
···って、いろはちゃん
また血だらけじゃないか···
は、はは···、すみません
少しだけお風呂お借りしても宜しいですか？
本当に···、毎度こちらが驚く程に黒崎さんて何事にも動じないって言うか
全然驚かないし、相変わらず何も聞いてこない
しかも···、この謎のお姉さんともお知り合いの様だし··
こっちが驚きを隠せません··
あれっ？！
もしかしてあんた達顔見知り？！
まぁな···
いいよ、いろはちゃん
丁度風呂を沸かしていた所だったし、ユックリ入っておいで
はい··、有り難うございます
ガチャ―――、ﾊﾟﾀﾝ
··あの娘は、また殺されたのか？
いや···、いろはを付け狙う鬼に体の一部を喰われただけだよ
····なるほどね
不老不死って··やはり彼女の事か
···ったく、マジで迷惑な話だぜ！
君は···、鬼なんだよね？
そうだっつてんだろ！
なら、何故同族を狩るのかしら？
っ！！
夜叉丸には複雑な事情があるんだよ
その事については、あまり触れないであげて欲しいんだ
まぁ、取り敢えず
今回お前をここに呼んだ理由は、いろはについての情報収集なのだ
····そうね、分かったわ
·········
