第96話「四年後」
文字数 1,252文字
ー四年後ー
《町外れの家》
あれから四年の月日が経っていた。
夜叉丸が再びこの町へ来ていたのには理由があった。
とある村で鬼狩りをするために夜の徘徊をしていた時のことである。
村の家屋の影で百鬼と呼ばれる人外がヒソヒソと話をしていた。
その時なぜか夜叉丸は、百鬼の話す内容が気になって仕方がなかった
嫌な予感がした夜叉丸は、こんな予感は宛が外れれば良いと願いながらホシ猫とジジイが住む場所へと急いだ
《町外れの家》
夜叉丸は、町外れの家に近付いた時にその違和感を感じていた。
まるで人気がない···
あんなにキレイにしていた畑は荒れ果て、薪割りの斧は切り株に突き刺さったまま暫く使われていないようだった。
大根や魚を干していたであろう場所には縄だけが寂しく風に揺れている
夜叉丸は家の裏側に回ってみた。
家の裏には何かが土に埋められたような、墓のようなものがひっそりと佇んでいる
夜叉丸は急いで家の扉を開けた。
その扉は既に建付けが悪く夜叉丸が勢いよく開けたせいで外れてしまった。
家の中も当然蜘蛛の巣だらけの廃墟のようになっている。
見覚えのある囲炉裏も板場の上もホコリと土まみれだった。
そして、そのホコリだらけの板場の上にはボロボロの状態のホシ猫が横たわっていた···