第4話「鬼と鬼」
文字数 1,139文字
－PM8時20分－
《鬼束屋敷》
(きっと···、ここからは逃げ出せない)
(私が、あいつの永遠の食糧··？)
(···············)
(何回考えても意味が分からない！)
ホホホホホ
やっと諦めたようじゃ···
では早速ひと口喰ってみようか
っっ！！！！？
ちょっ、ちょっと待ちなさいよ！
私は普通の人間だし、くっそ不味いわよ！！
·········
貴様はまだ理解しておらぬようじゃ
な、何を？！
···········
····まぁ良い
どうせこの屋敷からは逃げ出せぬのだ
教えてやらぬ事もな····
ほーう、こんな所にも鬼がいるとはなぁ
っっっっ！！！！！！？
？！？！
なんつーか、ラッキー
っっっ！！！！
だっ、誰だ貴様はぁぁっ！！！！
(だ、誰この人···、見たことないわ)
俺？
俺は、ただの通りすがりの鬼狩り
お···、鬼狩りだと？！？！
鬼狩り···？！
·····あ？なんだこの小娘は
てめぇも鬼か？
普通の人間の匂いはしねぇな
···········
は？！
まぁいいや、人以外は全部まとめてぶっ殺す！
いやいやいや、もう本当に勘弁して欲しい
こんな地獄の中、一筋の光が差したと思ったのも束の間、一変してまた命を狙われる事になるとか意味わかんない··
わっ、私は人間だよ！！！
············
····鬼ってのはな
直ぐ嘘をつくからな、切ってみなきゃ分からねえんだよ
は？！？！
きっ、切られたら死んじゃうじゃん！
····ちっ、ギャアギャアとうるせえ小鬼だぜ面倒くせぇ
っっ！？
てめぇはうるせえから殺す
決定だ！
なっっっ
何なのこいつマジで！！
私はこんな所で死んでなんかいられないのよ！
まだ死ねない！
花梨を···、助けなきゃ！！
ホホホホホ
その小娘は貴様には渡せぬぞ
はぁ～？
てめぇの意思なんざ聞いてねぇんだよ
どの道、てめぇらどっちも殺すんだからなぁ
殺すだと···？
ホホホホホ
我を誰だと思うておる
············
てめぇなんか知るか
き····っさまぁ··っ
·············
こいつらがいがみ合っている間に隙を見て逃げ出すしかない！
何処かに必ず出口があるはずよ！
··············
ｼﾞﾘｼﾞﾘ
あいつらに気付かれないように··
····小娘ぇ
どさくさに逃げられると思うたかぁ？
っっ！！！！
ったく、本気で面倒くせぇな！
即ぶち殺す！
っく··！！
ぐ··っ ぅぅ
ぐぐ···ぅぁぁぁっっ
なっ、何？！
いきなり現れた男は、今度は急に雄叫びをあげ始めると、徐々に姿を変えて行った···
それはまるで·····
っっっ！！！！
お前はぁぁぁっ！！
お···、鬼····？！
(ど、どうなってるの！？人間じゃないの？！)
くくく····
さぁ、殺戮のお時間だ
