第183話「夜叉丸と海弦(カイト)」
文字数 3,649文字
《Caffe―ゑ來屡》
なんなの?!
どういう事?!
···夜叉丸の記憶はどうなっているのだろう?
一度ちゃんと話さないと、何を覚えていて何を忘れているのかが分からない
それに····
結局修行僧モードに戻っちゃってるし―――――
ちょっと残念····
···前世のことをここまで明確に覚えているなんて···!
なのに廃炉さんの事は、忘れているのね····
でも、さっきもそうだった――――
夜叉丸の幼少期の事まで鮮明に覚えているようだったし··
···でも何だろう、何処か他人事のようで違和感がある···
···いや、それは当たり前なんだ――――
夜叉丸は転生して、この現代にはちゃんとご両親がいる···
きっと厳しい躾も受けて僧侶としての修行を行って来ているなら、昔の記憶があったとしてもそれはきっと殆ど夜叉丸じゃないのかもしれない····
そう言うと、イカタル*さんも廃炉さんもホシ猫さんも居なくなり····
夜叉丸と二人···取り残されてしまった―――――
やっぱり何だか気不味い·····
夜叉丸···、いや、カイトはそう言いながら少しづつ私に迫って来た···
はたから見たら今にも押し倒されそうな状況だろう―――――
私は徐々に仰け反りながら、とうとう畳に肘を付く状態になってしまった
あ······
もしかして、照れた···?
い、今は無理じゃない?!普通に!
て言うか、皆戻ってくるから!
···や、やっぱり夜叉丸感が全面に出ているカイトは破壊力がヤバい――――――
選択を間違えてしまったかも···