第148話「番外編∶近付く距離と懸念」
文字数 1,678文字
ワッ、ワタシなど名乗るほどの者でもないのですが·····
ニコニコ
それではこの辺にしましょうか、桜も満開で綺麗ですし!
そう言うと、イカタル*ちゃんはおもむろにレジャーシートを広げ始めた
イカタル*ちゃんは、IKABOXの中から手際よく廃炉の前にイカ焼きセットをササッと準備してくれている
そうして二人は、遠目から見たら普通にお花見デートをしているカップルの如く幸せそうに過ごしていた
ビールです!
最近、YORE YORE ALE(ヨレヨレエール)っていう美味しいビールが発売されまして····
人の世のビールは好きですが、それは初めて聞く銘柄です···!
あっ!イヤッ!!
そのぅっ、ビッ、ビールは良く飲みますよっ?!
···え?!
いや、サスガにそこまでして頂く訳には――――
屋台の方にも来てください···
温かい状態のお料理を食べて頂きたいなって··
ところで···イカタル*さんはいつもこうやって誰にでも親切になさっているッスか?
う〜ん···、いつも···かと聞かれると、そうでもないかもです
何故なら···、こんな状況に遭う事なんて中々ないですからね!
あら····、もうこんな時間!
そろそろお店の方に戻らないと!
す、スミマセン!!
無駄な時間を使わせてしまったッス!!
ここまで親切にして下さった方を一人で帰す程ワタシは最低ではないッス
このまま別れてしまうのは正直嫌だった廃炉は少しでもイカタル*ちゃんの隣に居られる事を望んでいた――――
何ていうか···、きっと育ちの良い方なのだろうと思うのですが、でもギャンブル好きだし、頼り無いのかなって思えばそうでもなかったりで――――
··········
本当の廃炉さんはどんな方なんだろうって··、もっと知りたくなります
廃炉の本当の姿が鬼だと知ったら··彼女はきっと嫌悪感をあらわにするだろう···
これ以上踏み込んでしまうのはマズいのかもしれないと思わざるを得なかった
続く
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