第40話「捨てるだけの命」
文字数 1,279文字
-AM0時35分-
-AM1時45分-
··············
·······おい
おめぇだよ、生きてんのか?
·················
···月の光が照らす中
誰かの····声が聞こえる···
でも····
もう···、返事をする程の気力は無い··
なぜ俺はこんな世に生まれたんだろう
いつだってそうだ····
きっと俺はこの世に嫌われている
あの女は何故俺を産んだのだ···
どうせ捨てるだけの無駄な命なら、産まなければ良かったのに
どうせ、辛うじて生きてんだろ?
·····しつこいな
俺はもう時期死ぬんだよ··
辛うじて生きてたからって何だ
どうせ直ぐ死ぬ
ほっといてくれよ···
愛想のねえガキだ
そうだよ···、だから
さっさと何処かに行·····
···何を思ったのかその男は
俺の襟を鷲掴みし、拾い上げたと思ったら直ぐ様その先の道端に放り投げた
その男は、俺を鋭い目で見ている··
···俺は産まれ落ちたその時から泣きわめいていた
それが嫌だったのか遊女だったあの女は俺を放置し、毎夜違う男と戯れを繰り返した
そしていつしかその女は帰ってくる事もなくなり俺は完全に捨てられた
その後はどうしたんだっけ··
とにかく、人から食い物を奪い、それを奪われないように自らがくたばらないように生きるのが精一杯だった
いつだったか1度だけ捕まった事がある
··その時は死にかけるまでボコボコにされたっけ··
···ガキだと思ってナメやがって
その後俺はそいつを殺したんだ
ナメられっぱなしでたまるかよ
それからと言うもの、人を殺す事に何の躊躇もなく何も感じなくなって行った
だが···
そんな事は長くは続かないものだ
人を殺したその日から俺はお尋ね者となり、人に見付からない生活を強いられた
所詮ただのガキでしかない俺に残された道は、その辺の道端で犬死にする事だけなんだと思い知らされる···
何言ってんだこのオッサン···
···俺にはこの男の意図がまるで理解出来ずにいた···