第140話「カルラの能力」
文字数 1,343文字
《春の闇》
グ·····ッガァァァァッッ！！！
こ····っ、こんなモノ····！！！
我に通用するものか――――――ッッ
··その炎は朱雀の炎だが――――
お前の足元に広がる結界は真言結界だ
お前らを絶命させるには十分過ぎるくらいの威力がある···
ク····ッ ゥゥゥゥゥゥ！！！
ｾﾞｴｾﾞｴ―――――ッ
カ······ッ
カルラ様ァ――――ッッッ！！！
《春の闇》
···········
···········
まったく――――
···どいつもこいつも
カ、カルラ様·····
何だ····？
何を思ったのかカルラは夜叉丸に背を向け歩き出した···
そして、少し歩いた所で止まったカルラは両手を軽く広げ―――――
っ！！！？
···残息奄々(ざんそくえんえん)たる者達を黄泉返らせ給う――――
その言葉と共に、カルラの身体からは蒼白(そうはく)の光が四方八方へと放たれた
その光は放たれた後にも消える事はなく、ある一定の位置まで行くと小さく爆ぜたのだった
(何だ今のは―――――？！)
カ、カルラ様····っ！！
それは――――
大丈夫だ、ナズナ···
心配をしてくれているのか？
っっ？！
ようやく···、ようやくお会い出来たのです···
僅かだ···、問題ない
(··やはり、この女にはもう完全にいろはの人格が感じられねぇ···！)
その時だった――――――
夜叉丸っ！！！
っ！！！
ゲンユー？！
っ！！
何を悠長な事をしている！
そやつを倒さんとオーマとレイは消耗戦でいずれ負けるぞ！！
···なっ！！？
そりゃどう言う意味だよ？！
いま放たれた蒼白の光は、鬼達の傷を癒やし治す為のものだ！！
傷を治すだと？！
········
···故に、先ほど廃炉が無駄な事だと言った意味を理解した
·········
フ――――――
っ？！
だから何だと言うのだ···
それが分かった所で貴様らに勝ち目など微塵もないぞ
テメェ···！！
それから――――――
っ？！
私は無慈悲な鬼だ。そんな私の能力が傷を癒やし、治すものだと本当に思っているのか？馬鹿馬鹿しい
···だが、現に鬼達は瀕死状態から全くの無傷へと回復しているんだ
ｸｸ――――ｯ
まったくオメデタイものだな人間とは
···そんな事――――
どっちだっていいんだよ！！！
ええっ？！
(どっちでも良くないぞ！)
どう転がろうとカルラは確実にブッ殺すんだからなぁ！！！
っ！！
·······！
···サスガにそんな事はさせないッス
っ！！
ワタシは···争い事があまり好きな方では無い故に、いつもカルラ様に丸投げしてきたッスが····
······
(最低な部下だな！)
カルラ様は、我々にとって全てなのだ！！
絶対にそんな事は――――
···はぁ？
何勝手極まりねえ事言ってんだよてめぇ····！！！
っ！！
俺にとったらなぁ、いろははそれなりに大事な存在だった···！
(えっ？！やっぱりそうなの？！)
注:少し真那が出てきている
········
······！！
·········
それを···てめぇらの勝手で、いろはの人格を消したんじゃねぇか！！！
ぜってぇ許さねぇ····！！
·········
フン···
ならば、貴様の望み通り殺し合いをしてやろう···
っ！！！
·········
···上等だぜ！！！！
··········！
