第207話「想定外の遭遇」
文字数 3,114文字
―AM5時50分―
《アゼルバイジャン海岸》
私達は今、恒例の夜通し鬼狩り帰り中である――――
昨晩は思った以上に鬼化した人達が沢山出てきて、実の所かなりクタクタな状態だ···
まぁ、それでも三屍蠱さんやモガさんが協力してくれるから昔よりは遥かに狩りやすくなったかな
···私が鬼狩りの最中カイトは殆ど手を出さないで見守っている事が多い
本当に危険な時だけは助けてくれるんだけど―――――
でも、これにはカイトなりの優しさがあるのだと私は思っている···
···だって鬼狩りは私に課せられた使命だから――――
きっと、その使命を全うさせてくれようとしているのだろう···
だからこそ、三屍蠱さんを私の頭の上に召喚してくれたんだと思う
守ってくれるように――――
···と、まあそんなこんなで、中々先に進めずいつホシ猫さんに会えるのかも分からない状態なのである―――
カイトがやっと素直になった――――
そんな些細な事が嬉しくて、この勢いで手でも繋いじゃおうかと思っていたその時―――――
ですが···気配が完全に消えてしまっていますね――――――
私の仕事に懸念も雑念もない―――――
この人、多分····
俗に言う「ヤンデレ」じゃないかと思われる――――