第208話「増加する鬼化の謎」
文字数 3,273文字
―AM6時20分―
《アゼルバイジャン海岸》
意外ですよね
そんな事は···っ
それは実に孔雀明王様らしいお考えですね
ﾌﾝｯ！貴様も同類だろうが！
私は昔よりも有り余る能力を頂戴致しておりますので、どちらかと言うと特別扱いして頂いております
本当に中身はゲスいままだな！
(相変わらず馬が合わない···)
もしかして『復元』能力ですか？
復元はいろはに継承したから、それはもういろはだけのものだ
死体を自由に操る事だった
(孔雀明王様って本当に凄い方だわ)
と、言われた
この能力を制御する事すら出来なかったのだから
私は鬼族だった頃、人を殺しては、その遺体を弄んでいた―――――
余計なお世話だ
·······はい？！
あんなに強い夜叉丸ですら全く刃が立たなかったカルラ様――――――
もはや生命体最強説まで上がっていたあのカルラ様が？！
最弱体質って何？！
何と言う事でしょう―――――
僧侶様―――――――
少しでも手を出したら再起不能にしてしまいますよ？
空手やテコンドーなど、体術系なのですが――――――
霊力を防御したい部分に纏えば鬼の攻撃を軽減させる事が出来るんですよ
昔の私では考えられない事ばかりで、正直今でも驚いております
何か分かったんですか？
寿命管理ですか？
今の私はカイトの寿命に合わせて歳を取れるように管理してもらっているんです
本当に良かった―――――
だが、君たちなら瘴気に触れても平気そうだし何なら調査して来てくれ
少しだけ瘴気に侵されるため、高熱が出て一ヶ月くらいは寝込む事になるがじきに良くなる
どうするの？
取り敢えず行ってみようか
何かあっても俺がいるから――――
昔と変わらないのですね――――
鬼狩りさんの事です
いろはさんを守ろうとするその胸懐(きょうかい)が―――――
元は鬼族の族長だったくせに、今はただの最弱野郎に言われる筋合いはありませんがね
貴様など取るに足らぬぞ！！ミヅキがいるのだからな！
勿論分かっております
調査の続きをしに行きますよ！
そうだな―――――
は、はい
そうして、私とカイトは半ば強引にカルラ様とナズナ様の元を去る事となった―――――
···カイトは多分、何か誤解をしているんじゃないだろうか？
カルラ様の言ってる事って、カイトが思ってる事とは別な気がするのだけれど―――――――
瑠迦さんは言葉が足りないんですよ
あぁ、私がこの世で愛せる女はミヅキしかいないぞ？
私ともミヅキとも魂で繫がっているのだからな――――――
