第57話 昼食
文字数 695文字
チャイムの音で目が覚めた。もう、昼食の時間なのだ。
いつまでもベッドの中でぐずぐずしていると、藍がそばにやって来て、いつも洋館でそうしていたように、ベッドに腰かけて、翔の髪に触れながら言った。
「翔、具合が悪いの?」
「うぅん。眠たいから寝ていただけだよ」
「それならいいけど。腕の傷は、どう?」
「もう痛まないよ。ありがとう」
藍は、微笑んで立ち上がった。
「さぁ、お昼にしましょう」
藍がテーブルに向かった後、ふと横を見ると、ベッドに腰かけてこちらを見ている基樹と目が合った。少しの間、見つめ合った後、基樹も立ち上がった。
「食べようぜ」
パスタとサラダの昼食を取っていると、チャイムが鳴った。翔はまだ、チャイムが鳴るたび緊張してしまう。
三人で顔を見合わせていると、久美がドアを開けに行った。入って来たのは増永だ。
増永は、テーブルの横に立ち、三人を見回しながら言う。
「ここはいかがですか?」
藍が唇を尖らせる。
「いかがも何も、こんなところ、居心地いいはずがないじゃない」
それには取り合わず、増永は言う。
「エレベーターで屋上に上がれるようになっています。よろしければ、食事の後、お連れしますが」
久美が言う。
「今日はいいお天気ですよ。たしかに、こんな部屋にいては息が詰まりますものね。外の空気を吸って、のんびりされてはいかがですか?」
「行きたいわ! ねぇ」
たった今まで不機嫌だった藍は、うれしそうに二人に問いかける。
「そうだな。ずっと閉じこもっていたんじゃ体がなまる」
基樹の言葉で、それは決定事項になった。翔自身は、まだ疲れが残っていて、二、三日はベッドでごろごろしていられそうだったが。
いつまでもベッドの中でぐずぐずしていると、藍がそばにやって来て、いつも洋館でそうしていたように、ベッドに腰かけて、翔の髪に触れながら言った。
「翔、具合が悪いの?」
「うぅん。眠たいから寝ていただけだよ」
「それならいいけど。腕の傷は、どう?」
「もう痛まないよ。ありがとう」
藍は、微笑んで立ち上がった。
「さぁ、お昼にしましょう」
藍がテーブルに向かった後、ふと横を見ると、ベッドに腰かけてこちらを見ている基樹と目が合った。少しの間、見つめ合った後、基樹も立ち上がった。
「食べようぜ」
パスタとサラダの昼食を取っていると、チャイムが鳴った。翔はまだ、チャイムが鳴るたび緊張してしまう。
三人で顔を見合わせていると、久美がドアを開けに行った。入って来たのは増永だ。
増永は、テーブルの横に立ち、三人を見回しながら言う。
「ここはいかがですか?」
藍が唇を尖らせる。
「いかがも何も、こんなところ、居心地いいはずがないじゃない」
それには取り合わず、増永は言う。
「エレベーターで屋上に上がれるようになっています。よろしければ、食事の後、お連れしますが」
久美が言う。
「今日はいいお天気ですよ。たしかに、こんな部屋にいては息が詰まりますものね。外の空気を吸って、のんびりされてはいかがですか?」
「行きたいわ! ねぇ」
たった今まで不機嫌だった藍は、うれしそうに二人に問いかける。
「そうだな。ずっと閉じこもっていたんじゃ体がなまる」
基樹の言葉で、それは決定事項になった。翔自身は、まだ疲れが残っていて、二、三日はベッドでごろごろしていられそうだったが。