第123話 決意
文字数 469文字
「本当にいいの?」
真佐が、心配そうに藍の顔をのぞき込む。藍は、首から下に白布を巻いて、椅子に座っている。
「はい。よろしくお願いします」
藍は真佐に、ウェストに届きそうな長さの髪をバッサリ切ってほしいと頼んだのだ。陸人も、そばに立って、不安げな顔でこちらを見ている。
真佐にはまだ内緒だけれど、藍と陸人は、晴れて本当の恋人同士になった。たとえ困難が待ち受けていようとも、この先も、陸人と一緒に生きて行きたい。
髪を切りたいと思ったのは、その決意の表れだ。過去を断ち切って、教祖の娘としてではなく、一人の女性として、愛する人のそばにいたい。そう思ったのだ。
藍は、笑顔で真佐を見上げる。
「髪は、すぐにまた伸びますから」
手鏡に映った自分を見つめる藍を、真佐と陸人が心配そうに見守っている。藍は、肩の上で切りそろえられた髪を、角度を変えてチェックする。
首を左右に振ると、柔らかい髪がふわふわと揺れて頬に当たった。鏡の中の藍が、にっこり笑う。
「素敵。とっても頭が軽いわ。真佐さん、どうもありがとう」
真佐と陸人も、ほっとしたように微笑んだ。
真佐が、心配そうに藍の顔をのぞき込む。藍は、首から下に白布を巻いて、椅子に座っている。
「はい。よろしくお願いします」
藍は真佐に、ウェストに届きそうな長さの髪をバッサリ切ってほしいと頼んだのだ。陸人も、そばに立って、不安げな顔でこちらを見ている。
真佐にはまだ内緒だけれど、藍と陸人は、晴れて本当の恋人同士になった。たとえ困難が待ち受けていようとも、この先も、陸人と一緒に生きて行きたい。
髪を切りたいと思ったのは、その決意の表れだ。過去を断ち切って、教祖の娘としてではなく、一人の女性として、愛する人のそばにいたい。そう思ったのだ。
藍は、笑顔で真佐を見上げる。
「髪は、すぐにまた伸びますから」
手鏡に映った自分を見つめる藍を、真佐と陸人が心配そうに見守っている。藍は、肩の上で切りそろえられた髪を、角度を変えてチェックする。
首を左右に振ると、柔らかい髪がふわふわと揺れて頬に当たった。鏡の中の藍が、にっこり笑う。
「素敵。とっても頭が軽いわ。真佐さん、どうもありがとう」
真佐と陸人も、ほっとしたように微笑んだ。