第185話 無謀な試み②
文字数 1,077文字
あっしは移動中、人間に遭遇したニャ。
人間に出くわすのは珍しいことじゃないニャ。
でもまさか、こんな町はずれの場所で人間から声をかけられるとは思ってもみなかったニャ。
よく見ると、野原の奥に工事現場があるニャ。
その工事現場に二人の人間が立っていて、あっしに話しかけてきたのニャ。
二人とも声が太くてガタイがいいから、たぶん性別はどっちもオスっぽい。
あっしは再び歩き出した。
が――
突然ピコーンと
でも、人間への関りはリスクがつきものニャ。
食べ物のためとはいえ、迷いが生じなくもない……。
じつは今、あっしはとても空腹なのニャ。
昨日ネコの集会でチュールを分けてもらって以降、何も食べてない。
というわけで――
そうと決まれば、行動あるのみ!
あっしは緊張を抱えつつも、草地をトコトコ進んで人間のもとへ接近する。
相手に近づきすぎず離れすぎず、もしものときは逃げられるくらいの位置で立ち止まると、
こっちを見ながら人間がなんか言ってきた。
何をしゃべっているのか、さっぱりニャ。
それに構わず、あっしは彼らに向かって要望を声に出し伝えてみることにした。
人間たちはこっちを興味深そうに見てはいるけれど、着衣から食べ物を取り出すような仕草はない。
あっしは半身をひねって、地面に背中や頭をこすりつけた。
顔はしっかり相手に向けつつ、まなざしに期待を込めて猛烈アピール!
あっしの究極のおねだりを受けて、人間たちは……
すっかりプライドがズタズタに引き裂かれ、激しく
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