第167話 ボスの願い
文字数 1,031文字
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俺の中でしきりに渦巻いていた野性の狂気は、すでに
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猫だって嫌な記憶は忘れねぇし、頭にしつこくこびりついている。トラウマ級の体験ならなおさらだ。
おれたち家族にちょっかいをかけてきたヤツは暴力的で、近所でも有名だった。
そんなヤツと自分の立ち位置が一緒かもしれない……
考えただけで、気持ちが萎えてくる。
俺は気まずさを払うようにシッポを振り、紅ファミリーから視線を逸らした。
メデアとイソルダがゴクリと唾を呑む。
ふたりともいまだに緊張が解けず、全身総毛立ったままだ。
イザベラは殺気立つ紅を不安そうな顔で見つめると、俺に向き直って再び許しを乞うた。
あえて片手を掲げて見せる。
俺の意思に呼応するかのように、爪は内側に引っ込んでいた。
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