第82話 待ち受けるもの⑤
文字数 1,241文字
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さらわれた新入りの妹について、秘密の情報を姉弟猫は教えてくれるというが……
ムッとした俺を見かねて、インテリが横から
そんな俺を見て、子どもたちはいい気味だと言わんばかりに目をギラギラさせだした。
完全に獲物を狙う捕食者丸出しのまなざしだ。
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子どもだからと大目に見ていたインテリも呆れ気味だ。
ふたりはビビッて縮こまる。
俺が表情を普通に戻すと、子どもたちは嫌々ながらも語りだした。
俺は背後の箱へ向き直る。
壁際に一メートル程度の古びた木製の箱が二つ並んでいる。
二つのうち片方はボロボロで、もはや収納としての機能を失い、中も筒抜けだ。
もう片方は全面が板に覆われていて、中を見ることはできない。
姉弟猫たちは後ろをチラチラ
俺とインテリはそれを横目で見つつ、箱のそばへ近寄った。
木箱を前足でこすってみるが、反応はない。
俺は前足の爪を箱の角にひっかけて、扉を開けにかかる。
そもそも猫なので施錠できるはずもない。
鍵がかかってなけりゃ、猫の器用さ次第で思うがままだ。
前開きの扉は、思いのほか簡単に開いた。
いや、簡単にひらきすぎた。
まるで内側から押されたように――
思いがけない――ってか、急すぎる展開だ。
箱の中から、猫がいきなり跳び出てきやがった!
ねこねこファイアー組の幹部・リャク!
気づいたが時すでに遅し。
赤毛の刺客は、俺の首筋を狙って
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