第53話 したたか猫は語る
文字数 1,810文字
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そのほか擬音多用、説明不足。
大事な場面だろうと、「ニャー」語連発、その場のノリで済ますにゃも。
とはいえ、これまでの過去を語れって言われても困るにゃねぇ。
昔のことにゃんて、ほとんど憶えてにゃいも。
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知ってのとおり、ウチの父猫はジロリ町の先代ボスだったにゃ。
強さはそこそこだったにゃね。
いまのボスにゃんがMAX10なら、5か6くらいかにゃ。
野良猫だけど、見た目には気を遣っていたにゃ。
だからシニアと組み分けされる時期に突入しても若々しかったし、メス猫にもモテてたにゃ。
聞いた話じゃ、若い頃は火遊びが絶えなかったようにゃね。
その趣味が悪くなかったおかげか、このマウティスのような
し~ん……
まったくひどい扱いにゃねぇ。
――って、話が
ん~、あとはにゃんだろにゃあ。
父猫に関する思い出といえば、いつもおいしそうなニオイがしてたかにゃあ。
無能っていうのは、何も戦闘能力に限った話じゃないのにゃ。
提案を聞き入れる度量や、他の猫に対する優しさとか、キャラ性が大事だったりするのにゃよ。
そういう意味で、ウチの組のボスにゃんは理想的にゃ。
父猫の思い出は、以上にゃね。
母猫は、ウチがもっと幼い頃に車に轢かれて死んだにゃ。
それまで道をふたりで歩いていたのに、一瞬で魂が消え去ってしまったのにゃ。
あっという間だったにゃね。
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母猫の死のおかげで、道路の横断には誰よりも気を配るようになったにゃ。
どうやって渡るかって?
結論から言うと、車道を無理に渡ろうとせず、猫も横断歩道を歩けばいいのにゃ。
つまり〝身代わり〟ってことにゃ。
猫くらいの運動神経があれば、人間を盾にしてその場から走り去れるにゃ。
まだそんな場面には遭遇してにゃいけど、もしもあったときのことを考えて先にお礼を言っておくにゃ。
下僕には、ぜひエサとトイレの面倒を見てほしいにゃね~。
外の暮らしは自由だけど、自給自足はめんどくちゃいのにゃ。
って、すっかり話は逸れちゃったけどにゃ。
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