第90話 とっておきの刺客
文字数 1,520文字
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発情したメス猫のニオイは、オス猫の本能を刺激する。
その影響で気が高ぶったり、攻撃的になったりと、オス猫同士のケンカを誘発してまうこともある。
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そのせいで副ボスの状態は尋常やない。
副ボスはもともと色香に惑わされやすいタイプなんやろうけど、いくらなんでもひどすぎるわ。
すると、頭上からヤミミンのせせら笑いが聞こえてきた。
たしかにいまの副ボスは自制心を失うてもうてる。
コントロールを失って暴走する列車みたいなもんや。
ワイは不敵な笑みを浮かべるメス猫をキッと睨みつける。
ヤミミンは、手足はシュッとして瞳はパッチリして、絵に描いたような
せやけど、見てくれは良くても油断のならへん悪猫は許せへん。
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ヤミミンは体を軽く伸ばすと、ワイを狙って建物から下りはじめた。
……まぁ正直、ええ加減にしてやってちょっとは思っとるけど。
けど、それを言うたからって状況が改善するわけやあらへんし、ここは早いとこ副ボスに去ってもらうのが一番や。
副ボスがなかなか動かへんから、ワイのほうから歩み寄ると――
唐突に巨体が迫ってくる。
副ボスはワイに向かって、情け無用の拳をくり出してきた。
いきなりキレる猫並みに展開早すぎやでっ!
テンダ兄さんはおおらかな猫やったのに、そんときの面影ゼロやないか!
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