第139話 知識猫の戦い
文字数 1,427文字
空中ダイブをかましたトウがインテリのもとに急降下していく。
インテリは相手の攻撃を見切ってかわそうとする。
だが――
インテリの動きには、いつもの
猫ってやつは持久力に
足の疲労が走りにも影響しちまうのもやむを得ねぇが、とにかくピンチだ!
俺は仲間の無事を願うが……
瞳に映るのは、白い体がグシャッと押し潰される場面だった。
我を忘れてトウのもとへ駆け出そうとした矢先、
俺の行く手に、紅が立ちふさがる。
トウはインテリの体を
しかし抵抗むなしく、インテリは体を押さえ込まれてしまう。
インテリは身動きを封じられながらも、わずかに手足を動かしてもがく。
だが、網状の金属板に体が食い込んで、脱出するのは困難な状態だ。
なにがなんでも止めに入ろうと、身を乗り出したときだった。
どこからか、動物の鳴き声が聴こえてきた。
それは猫を刺激してやまない、永久不変の甘い
ネズミと聞いて、トウは途端に目の色を変えた。
ギラギラしたハンターのまなざしが、廃工場内に潜む獲物を求めてさまよいはじめる。
みんな空腹には違いない。
ましてねこねこファイアー組のヤツらは、長期的な食糧不足に悩まされている。
腹を満たすため、生き残るため、その姿を目にすれば
だが――
その隙を知恵者は逃さない。
身をひねるインテリ。
瞬時に
ガシッ!
切れ味鋭いと評される拳がトウの頬を強打する。
宙に浮かんだ体は放物線を描き、金属板の上に置かれた箱に衝突した。
仲間の活躍が誇らしくて、俺は自然と口元にニンマリ笑みが浮かぶのを感じた。
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