第41話 カップル成立?
文字数 1,964文字
親分らが合流した直後、話が妙なほうにこじれておかしなことになった。
無謀と知りつつ、ワイは機嫌の悪くなったミミをなだめてみる。
ミミの視線が例のメス猫に向く。
メス猫が申し訳なさそうに駐車場の端へ引っ込むと、
それを新入り猫が慌てた様子で追ってゆく。
ワイには興味ないことやから、正直どうでもええ。
それよりも注目すべきは、組の中堅のミミと、副ボスによる恋仲発展スメルチェックが始まりそうってことや。
副ボスは身を屈めて、ミミの鼻に顔を近づける。
それから三毛柄の毛に鼻を寄せて、慎重に息を何度か吸い込んだ。
クンクン……
クンクン……
よほどショックやったんか、ミミはめっちゃ大声で叫ぶと、急に死んだように動かなくなる。
親分に問われて、副ボスは困ったように苦笑いしながらもキッパリと答えた。
副ボスの懐は底なし沼の包容力やと思っとったけど、案外底は浅かったんやな……。
ワイの冗談に反応して、ミミが復活する。
いきなりの出来事と、ミミの迫力に気圧されて、ワイは情けのない悲鳴を発してしもうた。
まぁこればっかりは相性やし、しゃあないか……。
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