第102話 乙女のチカラ
文字数 2,062文字
リャクのもとへ突進するミミ。
やんのかステップに
一転して目つきが変わるほど逆上しだした。
リャクは足場を蹴って、ミミに跳びかかる。
ミミは膝をスッと伸ばし、
突き出されるリャクの拳。
しかしミミは
それどころか――
胸を張って、リャクの拳を真正面から受け止める。
リャクは頭に血をのぼらせ、猫パンチを連打する。
バシバシバシバシッ!
ミミの腹に何発もの攻撃が打ちこまれるが……
ミミは胸をぶるんと振って、得意げにアゴをそらした。
リャクは湾曲する凶器をさらけ出し、ムキになって猫パンチをくり出した。
鋭利な
ミミは、またしてもよけない。
まばたきもせず、カッと瞳を見開いたままだ。
俺の思ったとおり、ミミはリャクの拳を片手ひとつでガシッと受け止めた。
言って、リャクの手をピシャリッと払いのける。
ミミは鋭く拳を突き出す。
リャクの額のあたりを狙って、白い手が二度、三度閃く。
そのすべてをリャクは身を
ミミはリャクに跳びかかると同時に、その首筋に喰らいついた。
薄っすらとリャクの首回りが乱れているのがわかる。
紅に噛まれたミミのように、血が
さらにリャクのダメージは募る。
衝突の勢いに押されて、リャクの体が固い床の上に押し倒されると――
それを狙っていたかのように、ミミの体が跳ねた。
やめろと言いたかったのかもしれないが、もう遅い。
リャクの腹の上に、肉厚なミミの体がドスンと降った。
重量級のボディプレス。
見るからにエグイ状況だ。
リャクはジタバタもがいて抵抗するが、ミミはしっかり首と体を押さえこんで容易に離れない。
横から紅が突進してきた。
ミミは跳び
リャクはすぐには起き上がれず、腹這いの姿勢だ。
ミミのように首全体が血に染まって、毛はバサバサになっている。
紅はリャクを
味方に手傷を負わせたミミのもとへ跳びかかろうとする。
だが、突如割って入った壁に
紅の
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