第４話 ジロリ組の掟
文字数 766文字
ジロリ町の近隣で、敵対する組同士の小競り合いがあった模様です
ええ。『ねこねこファイアー組』は勢いだけですからね。
ニャニャ丸組にはかなわないでしょう
ニャニャ丸組のボスはなかなかの腕利きらしいからな
ま、俺には劣るが
ボスにゃんの右に出るものはそうそういないにゃよ
なにせ強いだけが取り柄だからにゃ～
強いだけが取り柄って、褒めてねーだろ
いえいえ、ボスは見た目も中身もスバラシイっす！
まさにファンタスティックっす！
イケネコの中のイケネコっす！
へへへ、まあな！
俺も自分でイケネコだと思うぜ！
俺の縄張り内では、イケてるネコを略してイケネコと呼ぶ。
ちなみにオスでも、メスでも見てくれが良けりゃイケネコだ。
くあぁぁぁぁ～。
その発言は聞き飽きたにゃも
聞き飽きた言うな
大きなあくびをかまして、退屈そうにシッポを振るマウティス。
先代ボスの子だけに、コイツの態度はちょっと生意気だ。だが俺はボスだから、んなことにいちいち目くじら立ててカリカリしたりはしねぇ。
動かざること山の如し――この一言に尽きる。
ところでマウティス。
オメェはなんか報告ねぇのかよ？
これといってないにゃねぇ。
縄張りの境界も異常はにゃいし
どうせ寝てばっかりで、ろくに見張りの務めも果たしちゃいねぇんだろ？
にゃはは！
猫は元来怠惰な生き物にゃも！
ひらき直るなよ
でも、見張りはちゃんとやったにゃよ。
縄張りの境界をまたいでやって来る猫はいなかったにゃ
そうか。
引き続き警戒を怠るなよ
うにゃ
御意
ひとまずジロリ組の縄張りが荒らされる心配はなさそうだ。
だがまだ報告は終わっちゃいねぇ。いろんな話を聞くのもボスとしての役目だからな。
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