第149話 瓦解
文字数 1,205文字
近くの川に手洗いに行っていたキンメが廃工場に到着した。
キンメがいうには、〝ごっついモン〟ゲットしてきたらしい。
俺にはなんのことやらサッパリわからねぇが、とにかくピンチに
戦闘中だった仲間たちも、危険と隣り合わせの状況ながらキンメに話しかける。
すると――
気絶したように伏せていたテンダが起き上がって、会話に交ざってきた。
キンメは強気な態度で言い返す。
いつになく威勢がいいのは、なにか後ろ盾があるからか……?
事情がわからず様子を見ていると、キンメは視線をテンダのほうへ向け、何事もなかったように問いかける。
キンメの質問に、あたふたしながら
怪しいとは思っていたが、でっち上げだったとは驚きだ。
衝撃の事実を打ち明けられて、俺だけでなくジロリ組のメンバーもそれぞれビックリ顔を並べている。
いっぽう、ねこねこファイアー組のヤツらは……
ジロリ組ほどじゃないが動揺している。
ボスの紅も同様だ。
すると朽ちた出入り口の壁から、ひとりの猫が控えめに顔をのぞかせた。
それを見て、イザベラと呼ばれた猫は後ろめたそうな表情でゆっくりと歩み出した。
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