第116話 アドレニャリン
文字数 1,151文字
ミミ&ヨウとリャクの戦闘が始まったと同時に――
インテリは、トウとのバトルを繰り広げていた。
むき出しの闘争本能。
狂暴な血がたぎってるのが透けて見えるようだぜ。
トウは近くの箱に跳び乗ると、ジャンピングアタックを仕掛けた。
インテリはトウの勢いに圧倒されたりはしない。
手慣れた様子で後ろに跳躍し、攻撃を回避する。
インテリの挙動は、マタタビ摂取前のトウと対峙していたときとあまり変わらない。
軽やかに着地すると、トウを挑発する。
拳を振り上げ、トウのもとに迫っていく。
インテリの猫パンチは切れ味が鋭い――そう周りの猫から一目置かれる拳が、トウの顔に襲いかかった。
バシィィィィッ!
大声で吠えるトウ。
拳を喰らっても、なお平然としている。
かといって、トウがやせ我慢しているようにも見えない。
インテリの拳を受ける直前で少し身を反らし、直撃を避けているのは間違いねぇが、顔面に一発浴びたのは事実だ。
突然横の物陰からひょっこりと、ジロリ組の副ボス・テンダが現れた。
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