第101話 究極のマジギレ ②
文字数 1,470文字
激怒したミミは、殺気立った眼を敵に向けて獣のように
紅とリャクは異変を感じ取り、後退しつつ身構えた。
テンダが駆け寄って疑問を投げかけてくる。
ミミは全身に力をみなぎらせた。
尋常の域をはるかに
一部の毛がボリュームを増し、背中にいたっては山のように盛り上がっている。
空気を切り裂くような激しい威嚇。
ミミはまず近くにいるリャクに狙いをつけて移動を開始した。
異様に盛り上がった毛を維持しつつ、地を跳ねるように小刻みな歩調で前進していく。
逆立つ毛。険しい顔つき。
目が合ったら、魂をもぎ取られそうな狂気が
リャクは、ミミのやんのかステップから放たれる、その異様な気迫に呑まれたようだ。
まるで凍結したかのようにその場から動くことができない。
ミミの怒りの一撃が相手の顔面めがけてくり出される。
鋭い拳がバシッとリャクの鼻を打つ。
リャクはダメージを最小限に抑えようと努めたようだが、無駄だったようだ。
続けざまにパンチを浴びせられ、リャクは不安定な姿勢を保ちきれずにバタリと倒れた。
リャクは足を立たせつつ、とがった口調で返してくる。
まなざしは反抗的だが、ミミに打たれて赤く腫れあがった鼻がどことなく滑稽で、迫力なんて微塵もありゃしねぇ。
俺とテンダが身を乗り出すが、
ミミはシャーと牙をむき出して、怒りのみなぎる獰猛な顔をリャクのほうへ近づけた。
拳を突き出し、ミミは猛獣のような勢いで敵のもとへ迫っていく。
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