第45話 ワイの勝手なイメージで物語つくったる
文字数 1,720文字
しーん……。
あたしを守るために颯爽と登場する猫なんて、ひとりも現われない。
シュタタタタッ!
あたしは軽やかに地を蹴り、華麗な足さばきでアスファルトを駆けてゆく。
気づけば動物たちのひしめく、ペットショップの中へ入り込んでいた……。
ワイの勝手なイメージによる
★妹劇場★
- 完 ー
ハイなワイとは逆に、インテリ兄さんは冷めたまなざしで首を振る。
新入りは、弱音吐かないと死ぬ病気にでもかかったみたいに、ひとりでブツクサぼやきつづけとる。
ついでに言うと、空は徐々に夕陽に染まって、ちょっと空気も冷たなってきた。
一方、親分はインテリ兄さんに問いかける。
面目なさげに、兄さんはまぶたを伏せる。
親分の言葉に、感動で瞳をウルウルさせる新入り。
と、親分を褒め称えた直後のこと。
それまで佇んでいるだけやった例のメス猫・ヨツバが動き出した。
そっと生垣の根元に鼻を近づけて、ニオイを嗅ぎはじめる。
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