第69話 ボスの決意
文字数 924文字
ねこねこファイアー組からの宣戦布告を受けて――
さーて、行くか！
俺はカメの店からＵターンして、みんなと共にねこねこファイアー組のアジトに向かっていた。
同行者は、インテリ、キンメ、ミミ、ヨウ、モブニャン、テンダ。それに新入り、道すがら偶然出会ったヨツバの合計８名だ。
道の途中、妹さがしで新入りと来た例の土手に到着した。
ひとまず休憩でもするか。
はぁ～あ……、
ねこねこファイアー組に喧嘩をふっかけられるとは、面倒なことになったモンだ
町の平和に安定したら自由気ままな旅に出ようと思っていたのによ。
俺の夢がまた遠のいちまったぜ……。
しばらくダラダラ過ごしていると、
ボス。
そろそろ出発なさったほうがよろしいのでは？
インテリがそばに来て出発を促してきた。
そうだな。
すっかり日が暮れちまった
おいオメェら、たんまり水を飲んだか？
おかげでノドの渇きが潤 いましたわー
おなか、タプンタプンデス
小腹すいてるからって飲みすぎよ
まぁそう言うな。
川の流水は町中の水に比べりゃ清潔だから、飲みすぎる気持ちもわからねーでもねぇ
……
どうした？ 新入り
あ……いえ……
……自然の水は、す、水道水とは全然違うんだなぁって
室内育ちのデリケートな猫の口には合わねぇってか？
そそそ、そんな……！？
マママ、マズくはないですっ！
否定するわりに、シッポがプルプル震えてるぜ
あ～ら、動揺してるのねぇ
水はクリアなほうがおなかに優しいデスカラネ
家庭の味がなつかしく感じるのは無理ないよ
うん……
なんやお前さん、これから殴り込みかけようゆーときに家が恋しゅうなったんか？
いえ……そんなことは……ないと思いますけど……
声が小さいニャー
飼い主に捨てられても、まだ家が恋しいんやなぁ
こっ、恋しいだなんて……っ
そんなことは……ないと……思いますけど……
余計な感情に流されるな。
妹と再会できることだけを考えてろ
は、はい……！
――俺だって、本音を言えば寝転んでいたいんだからよ。
だが守るべき仲間がいる以上、ボスとしての務めを途中で投げ出すわけにはいかねぇ。
待ってろよ、ねこねこファイアー組！
俺の拳で、きっちりカタをつけてやるぜ！
決意を新たにし、俺は足にギュッと力を込めて地面を踏み出した。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です）
(ログインが必要です）
