第147話 仲間のピンチ③
文字数 1,776文字
インテリの次に狙われたのは、ミミだ。
ミミは身に迫る脅威を感じ取っていた。
近くにいるヨウを気遣って、逃げるよう
戸惑いながら、ヨウは敵と反対の方向へ逃げていく。
ミミはそれを途中まで見送ると、
すばやく壁を背にして身構える。
右はリャク。左は紅。
いかにマジギレモードのミミが強いとはいえ……
ひと蹴りで宙を飛ぶように移動し、ミミへと肉薄する。
紅の牙がミミの首めがけて一直線に迫っていく。
ミミは即座に上体をグイッと反らした。
さらにミミは、反撃をくり出した。
ミミは風を起こす勢いで片手を
相手が紅でなければ、必殺の平手打ちは見事にキマッていたに違いない。
だが、攻撃は空を切った。
すると、紅の反対側からリャクがミミへと急接近した。
ミミはその拳を手ではじき返す。
ミミは仁王立ちの姿勢で相手を見下ろし、リャクに噛みついてやろうと身を乗り出した。
そこへ――
紅がダッと躍動して仕掛ける。
放たれた拳。
ミミの頭部をめがけて、紅の猫パンチが襲いかかる!
パンチ、パンチ、ひたすらパンチ!
次々に浴びせられるパンチの連打に回避が追いつかず、ミミは不満げに声を荒げる。
紅はサッと身をひるがえした。
すると赤い尾がふわっと舞って、ミミの顔面を覆い尽くす。
ミミの視界が
体当たりでミミを倒そうと、体をドンッとぶつける。
しかし相手はミミだ。一筋縄ではいかない。
ミミは気合を発するとともに、得意の仁王立ちでリャクの体を受け止めた。
気張って堪えるミミ。
だが――
紅は手を突き出して、ミミの片足をつついた。
ミミの体が安定性を失ってグラリと傾く。
さすがに二足立ち状態から足元を崩されると、姿勢のキープは不可能だ。
ミミはその場にコテンと横転した。
大口を開け、ミミが麗しいと自称するその三毛柄の毛に牙を立てた。
ミミはリャクに噛みつき返そうと牙を剥く。
けれども、リャクもなかなか俊敏だ。
すでにそそくさと後ろに
リャクはミミと一定の距離をとりながらも、応戦する気満々だ。
隙あらばミミに襲いかかろうと狙っている。
いっぽうミミは、
これ以上負傷が募れば、戦い続けること自体難しくなるだろう。
(ログインが必要です)