第159話 白熱の戦い②
文字数 1,113文字
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口に入れるのが食べ物なら歓迎だが、猫のシッポはありがたくもなんともねぇ。
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俺は紅のシッポを吐き出す。
言い争っていても無駄なので、俺は拳をくり出し攻撃を仕掛ける。
紅は横に跳んで攻撃をかわそうとする。
俺は最初のパンチをゆるめに出した。
そうすれば紅はよけることに気を取られ、わずかに隙が生じると思ったからだ。
並の猫が相手なら、紅は回避に集中せず応戦もできただろう。
だが、俺は自他共に認める最強の猫――
本気モードのいまなら、左がかわされても、反対側の右手を雷のような速さで打ち出すことができる。
バシィッ!
俺の拳が紅の前足を鋭く打った。
紅はよろけながらも、ほとんどスピードを落とさずに後ろへ下がる。
紅はダメージを受けたせいか、体にまとう闘気が弱まってきているようだ。
だが、戦意が薄れた様子はない。
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紅は応戦しようとしたが、俺の攻撃が速すぎて間に合わなかった。
怒涛の猫パンチが火花のように紅の身に降りかかる。
まさに爆裂状態だ。右から左から、パンチ、パンチ。パンチの連続。
最後に渾身の一撃を浴びせると、紅は勢いに押されてふっ飛んだ。
場を鮮やかに装飾するように、周囲には赤々とした毛が舞っている……。
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