第165話 小さな挑戦②
文字数 918文字
ついに動き出した姉弟猫たち。
息の合った跳躍を見せ、俺めがけて跳びかかってくる。
同時に片手を突き出し、猫パンチを放った。
小さな肉球を持つ猫たちが頭上から降ってくる。
独り言を
しかし――
俺はあえてよけない。
メデアとイソルダの拳を受け止めようと、仁王立ちになる。
バシバシッ!
ふたりの拳が俺の腹を打った。
次々にやっつけパンチをくり出してくるメデアとイソルダ。
コイツらは子猫というには体はほぼ成猫サイズだが、実戦経験が少ねぇから、攻撃の威力は兄弟間のじゃれ合いに近い。
力の出し方やダメージの与え方など、まだまだ工夫がなっちゃいねぇ。
俺はメデアとイソルダのパンチを受けつづける。
同じことが二度三度と繰り返されるうち、子どもたちに焦りが見え始めてきた。
俺が反撃の構えをとると、ふたりの顔に恐怖が
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