第153話 受難の危機
文字数 1,553文字
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いつでも突き落とされそうな足場の狭いパイプの
けれども
そんなときは
そろーりそろーり……。
ヨウのいるパイプの近くには、別の骨組み幾つか水平に伸びている。
ヨウはちょっとずつ片手を動かして距離を測り、もう一方のパイプへ跳び移ろうと考えているようだ。
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しかし、イザベラにはヨウの行動は筒抜けのはずだ。
にもかかわらずイザベラはそれを
父猫に叱られて、メデアとイソルダはややシッポを膨らませて身を縮めた。
その様子をイザベラは遠くから見つめながら、やり場のない溜息をはきつつ
身に衝撃を受けたように、紅はその場に硬直した。
数秒ほど経ってから、ようやく冷静さを取り戻したのか反論する。
紅はふっと首を振ってイザベラから顔をそむけた。
すると目線が横に向いたせいで、ヨウの行動がバレてしまう。
俺は反射的に手足にグッと力を込める。
すると――
これまで反応の鈍かった前足に、たしかな手応えを感じた。
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