第75話 衝突
文字数 1,396文字
ボス猫vsボス猫。
ねこねこファイアー組とのバトルは、開幕早々にして荒らしの予感だぜ。
紅はタンクの上から俺たちを見下ろしつつ、優越感たっぷりにシッポをゆっくり振る。
紅は爪を立て、身構える。
体を宙に跳躍させ、俺のもとへ跳びかかってきた。
後ろに跳びつつ攻撃をかわす。
ドラム缶の上は足場が狭いから、落ちたら無様だ。
落下しないよう気をつけながら、片手を振り上げて応戦する。
得意の猫パンチ!
闇雲に拳をふるうのではなく、空気を裂くような俊敏さで相手に肉薄する。
シュッ!
狙いは正確。
だが紅の顔面を狙った俺の拳は、相手の毛をわずかにかすめて通りすぎた。
俺の拳を警戒するように体を引き締め、その場に立ち止まる。
ドラム缶の上で睨み合う、俺と紅。
紅は一定以上は踏み込まずに、攻撃を仕掛けてくるつもりらしい。
グッと伸ばした片腕を振り上げ、鋭利な爪を突き刺そうとしてくる。
俺はそれを止めようと手をかざすが――
紅は手を器用にひねって、俺の片腕に絡んできた。
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