第99話 熾烈な戦い②
文字数 1,477文字
紅とテンダの体当たりバトル。
勢いに押され、テンダの片足が一歩下がる。
だが、負けずに踏ん張って耐えている。
テンダは俺の指示どおりに動いて反撃のチャンスを得ると、大口を開けて牙を
紅の喉元を狙って、テンダは噛みつき攻撃をくり出す。
紅はサッと後ろに下がり、攻撃をかわす。
紅はふたたび突撃し、テンダに体当たりをかました。
もし足場を失って落下すれば、ガラス片まみれの地獄が待っている。
ふたりは数秒ほど取っ組み合った末、それぞれ後ろに下がって距離を取った。
先に攻めかかったのは、テンダのほうからだ。
力を込めた拳が紅の顔面を狙う。
パワーにおいてなら、テンダは負けてねえ。
けれども紅のとびぬけた
紅の手足が
今度は紅の噛みつき攻撃だ。
鋭利な牙が急所の首めがけて襲いかかる。
テンダは体をグッと
横に倒れかけた姿勢を戻しつつ、テンダは軽く息を吐く。
いまのところ目に見えるケガはなさそうだが、体の一部だったものが辺りに舞い散っている。
フワフワと宙に浮く抜け毛は、場を華やかに装飾する雪のようだ。
両者のあいだに、再度衝突の時が訪れようとしていた。
ところが一転。
何を思ったか、紅は戦闘離脱した。
逃走?
不利な戦いをしてたわけでもねぇのに、そいつは変だ……
紅はわき目もふらずに走っていく。
その先には、ミミの姿が――!
俺の声に反応して、ミミは振り向いた。
だがすべては遅かった。
紅は空中に跳び上がると、後ろからミミの首にかじりつく。
狙われた急所。
鋭い牙がミミの首元に食い込む。
攻撃の痕跡を刻む音が俺の耳に届いた。
(ログインが必要です)