第12話 みんなの励まし
文字数 759文字
うぅ……、
もう……立ち直れないかも……
涙の止まらない新入り猫。
そりゃ自分を捨てた飼い主が、後先考えないロクデナシだったと知ったらショックだろうな。
けどマジな話、猫は捨てられたら保健所行きになって、処分されちまうんだぜ。
気持ちはわかるが、落ち込んでもどうにもならねぇぞ
メシ食ったら元気出せ。
せっかく摂取したエネルギーを無駄にするな
……はい
世の中はイイことばかりじゃにゃいのにゃ
ほぉ～、マウティスにしてはイイコト言うじゃねぇか
にゃはは！
名言として心に刻んでくれてもいいにゃよ
心に刻むかはちょっと……
フン、かわいくにゃいにゃね
せやで。姐さんに失礼や
えぇ～、そう？
アタシはそうは思わないけど
まぁまぁ、毛づくろいでもして落ち着きましょうヨ
メシ食う前に毛なんぞ舐めたないわ
まぁ、そーだけどよ。
新入りは心を落ち着けるために念入りに毛づくろいしとけ
あ、はい
お気遣い、あ、ありがとうございます……
んなこと気にすんな。
猫同士苦しいときは支え合う、それが俺のモットーなんだ
おまえらも積極的に新入りのことを慰めてやれ
御意
新入り、元気出せニャー！
新入り、
……はい
新入り猫よ、命ある限り幸福は巡ってくる。
不幸に屈せず生きなさい
……はい！
少しはマシな気分になったみてぇだな
おかげさまで……！
にゃあにゃあ、ボスにゃん。
早くおやつタイム再開してにゃ
ウチもチュール食べたいにゃも
マウティスは、もう待ちきれないというふうにシッポをブンブン振る。
キンメや下っ端たちも、口元からヨダレをこぼしそうになっている。
メスオスに関わらず、食い気が絡むと本能丸出しになりやすいもんだけどよ……
オメェらは欲に忠実だな
呆れた調子で言って、俺は中身の空になったチュールを足元から
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