第115話 チームプレー
文字数 1,249文字
ミミvsリャク。
攻防はますます激化している。
両者の戦いは、殴り合いから毛を四方に散らしての取っ組み合いに発展した。
床をバタンバタンと打って、何度も金属板の上を転がる。
互いの体を押さえこんだところで、猫必殺の足技が飛び交った。
両者、一歩も譲らない。
ミミとリャクが互角の戦いを繰り広げていると――
そこへそろーりそろーりとヨウが接近していく……。
ヨウは戸惑いながらもリャクの背後へまわり込む。
血を見るのが苦手なヨウは、まごつきながらもリャクの片腕にカプリと噛みついた。
リャクは噛まれたところで焦りもしない。
しかしヨウが二度三度と同じ行動を繰り返すと、さすがに
羽虫を払うようにリャクは手を乱雑にふるう。
たやすくはねのけられて、ヨウは後ろへ引っ込んだ。
けれども運動神経は悪くないから、攻撃を受けてフラついたりはしてねぇ。
ミミは、リャクの顔を指し示しすように片手を動かす。
ミミのアドバイスを受け、ヨウはリャクの頭側に回り込んだ。
リャクの頭頂部に尻を向ける形で腰を下ろすと、おもむろに自身のシッポを振る。
フワサァ~……
しなやかな毛がさらりと流れて、相手を優雅に盲目の世界へと誘うかのようだ。
リャクは顔を左右に振って、視界を
けれども両手はミミが押さえこんでいる。
上に気を取られてリャクの足技がやんだスキに、ミミは相手の腹を両足で激しく蹴飛ばした。
鋭い爪が、リャクの腹部を裂く。
ミミはぴょんと起き上がると、ヨウを庇うように前へ跳び移って仁王立ちになる。
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