第36話 秘密の伝言
文字数 1,193文字
正直、信じられない。
だけど猫は鳥とも仲良くなれるっていうし、あながち無理なことではないのかなぁ……。
そのあいだにハトは低空飛行しつつ羽をバサバサと振って、ボクらのそばの土手道に着地する。
ウットリした顔でボスを見上げるヨツバちゃん。
悔しくて、胸がチクチクする。
こんなふうに思うことが、妬みってやつなのかな?
ボクのそういう気持ちを知ってか知らずか、ボスは困ったようにヨツバちゃんから顔をそむけた。
ボクが目をつむって否定しているあいだに、ボスはヨツバちゃんの首元に顔を寄せていた。
……も、ものすごく近距離だ。
女のコのほうも違う相手なら嫌がりそうなものだけど、ヨツバちゃんは拒絶する素振りもなく、むしろボスのほうへ顔を寄せている。
すると副ボスがボスとのやり取りを見て、ボクにしたり顔を向けて笑いだす。
ボクと副ボスが口を閉じると、ハトは戸惑い気味に首を動かしつつも鳴き声を発した。
ボスはハトがもたらした秘密の伝言をゆっくりと語りだした……。
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