第163話 危険な挑発
文字数 1,425文字
親猫の危機を回避させようと、一生懸命に願い出る子どもたち。
胸を打たれたように声を詰まらせる紅。
イザベラの瞳には、薄っすらと涙が
俺の言葉を受けて、再び警戒心が起こったのだろうか。
イザベラは感情を
メデアとイソルダは、キッと俺を
すると、メデアとイソルダは呆れたような表情になった。
どこか
と、反論してみたものの……
いまの俺に断言できるほどの理性が備わっているのか疑問ではある。
これまでの
だが、様々な場面で相手をボコボコにしてきたのも事実だ。
それがやりすぎだったのかどうか、俺にはわからねぇ。ただ本能のままに力をふるっただけで、悪気はなかったのだから。
俺の怒りが沸騰したのも、仲間の存在があればこそだ。
状況を置き換えると、コイツらも同じなのかもしれない。
大切な家族を守りたい――
その想いが、この猫たちを必死にさせている。
イザベラは俺の
悔しげに両手に力を込め、歯を剥き出すメデアとイソルダ。
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