第29話 謎の猫の正体
文字数 1,478文字
まさか突然猫が現れるなんて……!
いままで見知らぬ猫にいきなりタッチされることなんてなかったから、顔面蒼白の恐怖体験っていっても過言じゃない。
驚きに目を白黒させるボクを落ち着けるように、ボスはにこやかな口調で言う。
子分ってことは、ジロリ組のメンバーってことかな……?
でも、さっきひらかれていたネコの集会に、この猫は来てなかったはずだけど……
子分――じゃなく副ボスのテンダさんは、太い腕をピシッと伸ばして道に座り直すと、ボスと向き合った。
どちらも体が大きくて、
どうしよう……。
せっかくたとえてもらったけど、サッパリ意味がわからない……。
あまりわかってないけど、バカと思われるのはヤなので
広い縄張りに幹部がいっぱいかぁ……。
ボスの座を狙って、幹部同士でライバル争いが起きないのかな……?
戦闘能力の低さを直球で言い当てられて、ボクは気恥ずかしさにうつむく。
彼はまたしても困ったように、片手でペロリと顔を洗った。
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