第205話 愛ゆえに
文字数 2,004文字
まるで自分が一番偉いとでもいうような、ふてぶてしい表情だ。
両目をカッと見開き、タイコーは診察台から親子を見上げる。
俺が言い終えるより先に、タイコーは持ち前の太い声で
すると目力アピールを受けた朝陽は、
朝陽はタイコーの体に両手を
丸々した体に力を込め、その場に踏みとどまろうとするタイコー。
タイコーはずーんと胸を
親子そろってタイコーの体に手を触れ、ゆっくりと撫ではじめる。
朝陽と
タイコーは
篤子も朝陽もタイコーを見つめながら、とても満足そうに目を細めている。
俺には人語のすべて理解することはできねぇが、簡単なやり取りから要点を
俺なりに愛ってモンがちょっとわかったような気がした。
誰かを思いやる気持ちが〝愛〟なんだ。
すると、そのやり取りを見ていた
ウッカリしてたぜ。
相手をのことに常に気にかけてなきゃいけないんだとしたら、俺の愛はまだまだだ。
それに比べて、タイコーはいつもあんなふうに人間の行動を見極めて行動しているんだとしたら、なかなかのモンだぜ。
猫と人間が共に暮らすことで
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