第194話 破壊神的なイメージで
文字数 1,109文字
俺は仲間と共に負傷した熊介を連れてタイコ―の家を訪れた。
小屋の中にいるタイコーに呼びかけても応答がないので、大声を出すと……
窓ごしに姿を見せたタイコーは、とてつもなく不機嫌そうだ。
タイコーは、二面性のある感情の激しい猫だ。
ささいなことですぐ機嫌を損ねる。
そのうえ破壊的で、通称『怒りの
俺がやや後ろにいる熊介のほうへ首を向けると、タイコーは窓にグッと顔を近づけた。
バラのトゲのように尖った目で熊介を
タイコーはイラだたしげにシッポをバタバタと揺らすと、ガラス戸の格子に爪を立てた。
タイコーは、ガラス戸をバシッと叩いた。
まるで人間が押したような勢いで戸が開け放たれる。
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