第182話 無謀な志
文字数 1,084文字
新入りさがしを放置して、香りに誘われ川の近くへ近づいてみれば――
どうりで良いニオイがすると思ったら、ヤミミンだったんだ……！
久しぶりね
こんなところでヤミミンと再会するニャんて思ってもみなかったニャ！
どっ、どうしてここに！？
ボスに言われて、このへんで敵を待ち伏せしてたのよ
そのあとジロリ組のヤツと戦ったんだけど、もう最悪な展開だったわ……
不愉快そうにシッポをブンブン揺らすヤミミン。
視線を改めてあっしへと向けると、問いかけてきた。
ところで、モブニャンはこんなところで何してるの？
なにってその……、
ジロリ組のスパイの役目を終えて、それでえーっと……
スパイといえば、聞いたわよ
ジロリ組からたいした情報持ってこなかった
ぐにゅにゅ……！
あっしの提案は間違ってなかったニャ！
そーかしら？
不意を突いても、ダッシュで逃げられたらオシマイじゃない
ハッ……！
ねぇ、モブニャン。
正直に言ってよ
ニャ？
ねこねこファイアー組の扱いに
エエッ！？
ななな、なんでそれを！？
あ、やっぱり
ちっ、違うニャ！
いきニャりトンデモナイこと言うから、驚いただけニャ！
トンデモナイことねぇ……。
そのトンデモナイことを実行しようとしてるんでしょ？
どーせねこねこファイアー組が縄張り争いに負けたら、ジロリ組に
それは言いすぎニャ！
あっしは、そんなズルいことを考えてないニャ！
でも、弱い者は強い者にしがみつくしかないじゃない
ぐにゅにゅ！
悔しいけれど、正論ニャ……！
でしょ♪
たしかにヤミミンの言うとおり、あっしは戦力外のモブ猫ニャ
だけど……バカにしないでほしいニャ！
ちゃんと立派なりたい気持ちはあるニャ！
立派になりたい気持ち、ねぇ
そもそもあっしは、負け猫ライフに
あのときの
フフッ……、
気負いこんで過熱するのはいいけれど、あたしの魅力に勝てるかしら？
それまで地面に
あっしのほうへおしりを高く突き出し、シッポをピーンと立てる。
そっ、その構えは――！
誘惑のフェロモン♡
オス猫を
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