第193話 秘密の隠れ家
文字数 1,650文字
ねこねこファイアー組との戦いが終わって――。
俺はジロリ組のみんなと河川敷でひと休みした後、
同行者は、副ボスのテンダ、それに
チータは熊介に遠慮して、一定の距離を置いて俺たちの後を追っている。
熊介の歩くペースが土手の道を越えたあたりで落ちてきた。
ケガをしているから無理もねぇ。
それから畑をまたいで、橋をまたいで、道路をいくつもまたいで……
ようやく民家や店が立ち並ぶ一角に入った。
ここまで来ればゴールは目前だ。
俺はそう言って、タイコーの家に近づいた。
熊介とテンダも後ろからついて来て、俺と同じように建物の裏側にまわり込む。
家の裏は庭だ。芝生の
そのフェンスに、俺たちの後を追っていたチータが無言でそっと跳び乗った。
俺は庭へズカズカと入っていくと、敷地内を半分ほど進んで足を止めた。
フェンスのそばに、小さな建物がある。
ガラス窓やガラス戸のついた、キレイな感じのする小屋だ。たまにこんな小屋で人間が食い物をつまみながら香りのする飲み物をのんでいるのを見かける。
俺は小屋に向かって鳴き声を発する。
今度はしっかりと大きな声を出して呼びかける。
すると――
お、反応アリだ。
小屋の中から、口調は厳しいがちゃんと声が返ってきた。
ほどなくすると、タイコーが小屋の奥からガラス戸のほうへとやって来た。
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