第184話 無謀な試み
文字数 1,247文字
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チュンチュン……。
どこかで鳥がさえずっているニャ。
いつの間にか、肌を撫でる風が暖かくなっている気が……
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慌てて起き上がり、辺りを見回す。
幸いなことに、周囲にほかの猫がいそうな気配はない。
起床時に体をほぐして準備運動しておくのが、猫の習慣ニャ。
自分がどうしようもない存在に思えて、気が
なんだがケンカに負けたときのような後味の悪さニャ。
あっしの頭に、ポンッとふたりのボス猫が浮かびあがった。
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あっしはゲンナリしつつも、組の勝敗について考えてみた。
ねこねこファイアー組が勝っても、あっしにメリットは無いニャ。
待っているのはきっと、さらに調子づいたトウとリャクにいじめられる超絶理不尽な日々だろうからニャ……。
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毛を舌でペロペロすると、少し気分が
ぼんやりと青空に浮かぶ間延びした雲を見るともなく見ながら、どうしようかと考えていると……
たいしたことじゃないかもしれニャいけれど、我ながらいいアイデアが浮かんだニャ。
裏切者のあっしがみんなに会うのは、ちょっと気まずいけどニャ。このままここにいても仕方ないニャ。
あっしは野原を走り、草深い茂みを抜け、遠くに流れる川の音を頼りにひたすら進んでいく。
機嫌よく歩いていたのも束の間――
思いがけず、事件は起きた。
声のするほうへ振り返ってみれば――
少し離れた場所から、ふたりの人間がジッとこっちを見ていた。
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