第197話 猫の下僕
文字数 1,452文字
その
熊介はまばたきもせずに見知らぬ人間をジッと見つめて警戒している。
タイコーと共にこっちへ近づいてくるのは、人間の子どもだ。
猫嫌いにはまず無いリアクションだ。
子どもは俺のほうに寄ってきて、その場にスッと膝を折った。
それでも子どもとはいえ人間だから、猫より背も目線もずっと高い位置にある。
タイコーは、子どもの傍らに立って相手を見上げつつ指示する。
朝陽と呼ばれた子は、タイコーに呼びかけられてキョトンとしている。
いっぽう熊介は、シッポをかじられた並みの慌てっぷりだ。
ありえねー!
そんな感情ダダ
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