０７ 卒業試合
文字数 2,995文字
はっ
……は、はい！ もはや決して二度と！
スカシバレッド。あなたとまだ戦えるなんて……。ここはどこですか？
レベル６７のシルクイエローが答える。
真っ暗な山中だけど、車の音は近い。……しかし、精神エナジーが具現化した身でも肌寒い。
現在のレベルは１０７。バストはＤになってから伸び悩みだ。背丈はちびっ子で止まっている。
お前がいるのは引き継ぎのためだ。それよりあいつは転生を拒否した。
なので司令部が連絡して、変身した彼女をモスプレイに乗せてくる。
今後はあの女を送迎するタイムラグを考慮して召集してもらわないとな
皆様、お待たせしました。
今夜からあなた方のチームに加わります白滝深雪です。よろしくお願い致します。
ﾂﾝ
やっぱりコスチュームは変えないのか。でもシルバーヘア！ 白装束と調和してかわいすぎる。
『全国有数の魅力あふれる地にようこそ、モスガールジャーの諸君。
機内にてちょっとしたトラブルがあり、アメシロはご機嫌斜めだ。なので私が仕切らせてもらう』
『急きょ決定したが、諸君らには納豆ランド支部の壊滅をお願いする。
ここは上質な戦闘員を産出することで有名だが、支部長であったオーガイエロー、副官でありスカウト部長であったジェットゴキを失った。体制が回復する前に致命的打撃を与える。
布理冥尊の牙城のひとつであるから、奴らも必死に守るだろう。しかし、秩父の戦いを制したメンバーが揃っているのだから、何事もなければ楽勝だ』
ちなみに紅月照宵であったスーパームーンは、東日本全体のワイルドカード的扱いになります。
ｼﾞﾛ
司令官のおっしゃるように、私たちは先日の戦いで強くなりました。力を合わしていきましょう。
ﾌﾌ
ﾌﾝ
『ターゲット施設の視認完了。
正規の工場には一般人が多数いる。巻きこまないようにしよう。敵アジトには四十名ほどだが、全員が私服だ。生身の戦闘員らしきがうろついている。
私は本隊に帰還する。以上』
とはいっても、さすがに今回は力押しだ。変身せぬ戦闘員を傷つけぬようにしよう』
これは作戦と言えません。リスクがあり過ぎます
だったら、あんたは戦わなくていい。結界で敗残兵を閉じこめるだけでいい』
私たちはずっとこんな戦いでした。
ついこの間まで、上級戦闘員一体を相手に苦戦しました
清め賜へ、閉ざし賜へ
ｽｰ
深雪が黒神子と化す。御幣と神楽鈴を手に中空に浮かぶ。
ダミー施設が、レベル１８２の築いた見えない檻に包まれる。そして叫ぶ。
では、やりましょうか
五人は、アジトの前で整列する。
私服のままで見張りをしていた戦闘員が屋内に逃げる。
