25 ニューモスデー
文字数 2,645文字
正義の象徴であるレッドがあんな報酬を授かるなんてね。
真っ先に私の胸を見てそれから顔を見て、正義の女性は容姿で選ばれるではなかったのか、みたいな顔をした気もするレッドにはお似合いなんて思わないから――以下割愛
たまたま聞いた話によると、あのくそは一般人のときから視力が9.5あって、対岸で子供たちが亀を苛めているのをいましめるために、制服の下に着ていたスク水で、台風で増水した荒川に飛びこんで、くそでもさすがに流されて、流木にしがみつき海ほたるで保護されたらしい。
そんなくそ化け物がスカシバレッドを狙っていると――以下割愛
それはそうと、私はイラストとか得意なんだ。いまは主に小説で、なんちゃってR15――以下割愛
彼女に侍るボディガードの淀んだ目つきが気色悪い。
こいつの目を見たら思いだした。
もぐもぐしながら、みんなを見渡す。
これからもスカシバレッドと戦い続ける。
部屋に沈黙が流れる。
宴もたけなわで、記念撮影をすることになった。藍菜が中心で両隣に俺と隼斗。
スカシバレッドの写真。茜音に撮ってもらうと約束していた。でも、このメンバーの写真こそが尊い。
落窪さんが落ちくぼんだ目でカメラを構える。このままビームが発射されて全滅するかもと不安になったがフラッシュだけだった。
仕上がりをみんなで確認しようとしたところで、天井に六人ぐらい飲み込みそうな巨大な白い渦が巻きはじめる。
何事もなければ楽勝だな
スカシバレッドがセンター。両隣にはダブルピースするスパローピンクと微笑むシルクイエロー。後列に腕を組むエリーナブルーと顎に手を置く与那国司令官。
セルフタイマーのボタンをくちばしで押したアメシロが、司令官の肩に戻る。
命は大事に。
あの子ならば懸命な振りをしながら笑うのも、今夜ぐらいはありだろう。
頭の中で単体敵のリスクだかの計算を高速で済ましたっぽいブルーが、にやりと笑う。
雑居ビルの二階は深夜でも明かりがついていた。
女たちは防弾ガラスを割り突入する。悪そうな人間どもがぎょっとする。
女たちが整列する。
電卓を叩いていた男が黒いマントで体を覆い、異形へと化していく。
戦闘員服に着替えた子分たちとピチピチ跳ねる巨大ミジンコを制して、ハゲが両手をあげる。
もうちょっと待て。