34 喚問
文字数 2,216文字
正面奥に長方形テーブルが横に並べてある。見たことがない男が六人。女が三人。いずれもこちらに顔を向けて座っている。テーブルには水だけ。俺たちの椅子はないようだ。オーディションって感じかな。
俺は小声で聞くけど、柚香は顔を青ざめさせる。
柚香が言われたとおりにしようとするので、俺はさらにしっかり握る。
沈黙が流れる。……また龍になれるかな。なんて思っちゃったりする。
あなたたちが調べてもルーツが見つけられないほど、遠い遠い親戚の子たちです。彼女たちは一般人です。誰かと間違えて拉致などしないでください。
竹生夢月は彼女たちを気に入っています。彼女たちを傷つける者は誰であろうと赦さない。そう言っています
……ハウンドピンクは戦局を一変できる存在。焼石の裏切りが帳消しになる、とてつもない功績なのにね。
もし彼女を見かけたら伝えて。あなたには力になって欲しいと
議長。竹生の話がでたところで、本日の主題に入りましょう
前例がない。奴らでさえもしでかさない。
あれは俺たちの責任だ。あの娘を甘やかしたからだ。いくら都庁に布理冥尊の隠し施設があり、たまたまそれを破壊できたとしても、一般人の負傷者はなかったとしても、看破できない!
一番若そうなこの人は興奮するけど、そうだったのか。
都庁を襲った紅い光は、某国の攻撃ではと大騒ぎになったけど、翌日に人気タレントや芸人複数参加の薬物パーティー(一年前のだ)が発覚して逮捕者が多数出て、テレビはそれ一辺倒になった。
SNSはインフルエンサーの一部が格好よくて、都庁の件は偽造ねつ造すなわち某野党の陰謀との風潮に替わっていった。
高層ビル群における特異稀すぎる異常気象な現象で収まりそうだけど。
……彼女と仲が良い君たちも、その覚悟をしていてくれ。これは深川蘭も承知している。もちろん、何も起きないのを心の底から祈っている
こいつらのペナルティを忘れていませんか。
まず私はモスガールジャー時代を踏襲して、相生から性フェロモンだかをはく奪することを提案します。
三千万円分。
こいつらの恋愛ごっこも終わりますよ。戦いに専念してくれる