15 白熱する新歓バトル
文字数 1,908文字
転がる犬をアグルが蹴る。ガイアが巴投げる。
ピンク色の気品ある犬が背中から落ちる。……でかくなっても肉弾戦は苦手かも。
蒼柳は傍観している。ヌメリイヌは奴を守る。さっきから、こいつらは共に戦おうとしない。
原理主義、反原理主義、中庸派……。
ん?
そうは言っても、蒼柳様は言霊と“濁流”の精霊。原理主義でなくとも欲望に忠実です。あなたの精神エナジーが尽くのを待ち、蹂躙するために連行するでしょう。
……その後のあなたの処遇は決まっています。黒岩様の餌です。
見えない諭湖へとぼそり言う。
……関西Aランクチームか。しゃちほこランドで雪月花と喧嘩を始めた愚かなテロリスト。
スカシバレッド案ずるな。あのレッドよりも――下品な本当の女三人よりも、四人のレッドの中で、おまえがずば抜けて美しい。中身が男であろうとな
布理冥尊の仲間同士のやりとり。
諭湖が振り向き首を横に振る。
躊躇したところを、
空中で動けなくなる。見えない縄で亀甲に縛られたよう……。
その声に、ハウンドピンクが消える。押部諭湖も消える。捕らわれた傭兵たちも薄まる……。
関東管轄のみんなが数珠につながり……。
なぜためらった! 俺など犠牲に魂を燃やせ!
スカシバレッドは全身全霊を込めて、亀甲縛りをはじき飛ばす。
消えゆく捕虜に飛びつく。
男たちを抱きかかえて、すべてのエナジーを注ぎこむ。
彼らを連れ去る力が遠ざかる。
なるほど、エナジーと引き換えに私の言葉を打ち消すのか。だがゼロになったな。
私は捕虜を連れ、この女と私の部屋へ行く。ヌメリイヌはひたすら粘ってくれ。
私はただつぶやくだけでいい。エナジーを削ることなく何度でも。
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男たちは気を失う。
スカシバレッドは二人を抱えて