予告編

文字数 1,441文字

スタッ
 立ちあがった茜音の手に黒いマントが現れる。彼女が白いビキニ姿になる。
おお……

 胸は並み以上で手足がすらりとした彼女こそスタイルがいい。すなわちエロい。十一月も半ばというのに、夏が待ち遠しくなった……。




ここです
 湖佳がシャッターの閉ざされた民家サイズの工場前を行き過ぎながら言う。両隣は本当の民家。しばらく歩いた後に。
偵察してきます
 路地で黒ビキニ経由で姿を消すのが見えた。
……。
……。

 俺と芹澤はコンビニ前で待機する……。




チッ
……。
ゲゲ
 さらに男が二人現れた。五十ぐらいの地元民丸出し親父と、俺と同年代の格好いい男。そいつは見覚えがある。その時は金色の鎧をまとっていた。
大宮で会ったよな
……。
 野原宏が俺に言う。
目を見れば分がる。おめはズガジバレッドだ
 その手に金色の端末が現れる……。




『五分前。巫女をそちらに転送する。コードを教えて』
 
 
 
 
 
 サント号の上に乗った五人がフリーズした。トリオスの三人が二人を見る。紅月は俺を見る。
関東の人はえげつないな
 レアシルバーがぼそりと言う……。




…………。

 彼女のが苦しんでいる。なによりレイヴンレッドが来る。はやく終わらせないと。

 俺が終わらせる。

だめ!

 駆けだしかけた俺を、シルクイエローが背後から抱く……。




私さあ、前はモスガールジャーにいた
 彼女は俺たちへと平然とした態度で語りだす。
その司令官である女に失望した。それで布理冥尊に移った。

根は同じでもさあ、あっちには大司祭長がいる。すべてを赦してすべてを救ってくれる。私も、あなたたちも

 俺は知らぬ間に酒をだしていた――。




『惜しみ惜しまれ、モスガールジャー』


ハデスブラックと相討ちした相生智太は、二度目の死を経験した。レジスタンス最強であった竹生夢月も倒された。敵味方とも満身創痍のなかで、「かわいこ戦隊モスガールジャー」のファイナルストーリーが始まる。


相生智太は陸奥柚香に別れを切りだし、その足で竹生夢月を選んだ。正義の男に非ざる行為に憤慨する仲間たち。妥協する仲間も同数いた。そんなプライベートにおかまいなく戦いは続く。彼は芹澤陽南と洞谷湖佳というよく分からない三人で、東北遠征へと向かう。北温泉ランドの名湯に築かれた布理冥尊のあらたな拠点。そこに星空義侠団が関わっているらしい。それは柚香の先輩がリーダーの正義の一団のはず。その真偽を確かめるために温泉巡りを強行する。

残された敵は、歴戦のレイヴンレッド。そして白い魔女。なのに彼の前には新たな敵がなおも現れる。それは、妹である相生桧の前にも……。

惜しもうが失われるもの、去っていく人。相生智太も経験するだろう。本人さえも、惜しまれようが二度と会えなくなるかもしれない。だとしても、弱くなった彼はなおも先頭で誰より戦い続ける。レベルなんて関係ない! 愛する人のためにその言葉を実践する。


相生智太の勝利の報酬は、女にもてまくること。敗北のペナルティは女に嫌悪されること。

どうでもいい。俺には目薬と夢月だけで充分。でも……。

なおも自分の都合を垣間見せる。優柔不断に区切りをつけるため、美少女戦士に転生して美女たちと戦いつづける。おのれの正義だけは貫きとおす。

そう。最後に彼はこう叫ぶだろう。


仲間を愛し、妹や女の子たちも愛し、竹生夢月を愛し、スカシバレッドこそ一番に愛して、愛されながら日本の平和を守り抜いてやる!



※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称・地名等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

相生智太

=スカシバレッド

スカシバレッド

=相生智太

清見涼

=エリーナブルー

エリーナブルー

=清見涼

睦沢陸

=シルクイエロー

シルクイエロー

=睦沢陸

壬生隼斗

=スパローピンク

スパローピンク

=壬生隼斗

夏目藍菜

=与那国三志郎

与那国三志郎

=夏目藍菜

木畠茜音

=アメシロ

アメシロ

=木畠茜音

陸奥柚香

=白滝深雪

白滝深雪

=陸奥柚香

竹生夢月

=紅月照宵

紅月照宵

=竹生夢月

深川蘭

=紫苑大夫

紫苑大夫

=深川蘭

相生桧

=智太の妹(従妹)

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色