仮面ネーチャーに連絡する。どちらとも連絡が取れない。夢月にも連絡する。
『コノハにてハウンドちゃんと移動中。合流したいです』
なにがハウンドちゃんだ。並べば妹に見られるくせに。胸は勝るけど。
スカシバレッドも海へでる。
ティアラが無いことに気づいた。飾りだけかと思ったが、レイヴンレッドのソードから守ってくれた。代わりにモスウォッチがある。
月が興奮している。近づくと、ハウンドちゃんが攻撃されるかもしれない
なので、先にウィローブルーとネンドクンを倒す。いまは仮面ネーチャーとリベンジグレイが戦っている
彼女に律は効かなかった。でも鉄槌と城壁は通用された。
リーガルエボニーは空を飛べないので、隊長と一緒にいる。それだけが救い
スカシバレッドはスパローにきつめに言う。こいつはハウンドが怖がらぬようにと速度を落としている。戦場にやましい心を持ち込みやがって。
戦友は俺が伝えたいことに気づくけど、なにがスパ君だ。スカシバレッドは説教してやろうと思ったが、アグルさんから連絡がきた。
『平塚のゴルフ場から二宮の集落を横断して、現在は中井の大規模なソーラー発電所近辺にいる。ウィローブルーは柳のようにかわしながら逃げている。
おそらくハデスブラックたちと合流するのが目的だろうが、僕たちがエナジーを消費して合体できなくなるのも狙っている。だから、現在はフィジカル合体を解除している。
ネンドクンはウィローブルーに付き従っている。こいつは人以外にも擬態できるから厄介だが、レベル100程度の力しかない』
中井? そんな町があったのか。駅伝でも聞いたことない。仮面ネーチャーの端末で調べよう。
『……。
八時間らしいが、さすがにそんな長時間は君でも変身できないだろうな。
彼女は善の心が悪の心を凌駕した』
花鳥風樹と出会ったからだ。だからマントを手放せたからだ。もはや落窪さんは俺たち以上の正義の味方だ。
丘の一角が黒いパネルで埋め尽くされ、満月の光を反射させていた。あそこが戦いのセカンドステージだ。
ソーラーパネルの破壊音が響く。再び戦闘が始まったようだ。二人を上空に待機させて、スカシバレッドが先行して降りる。人工建造物の無言の群れが満月を眺めている。
まじっすか。お約束の声が聞こえた。空中で動けなくなる。
警戒もせずにのこのこと……。こいつはエナジーを消費して解除する。ネンドクン、早く倒してくれ
黒いパネルに根を張るように、柳の化け物が呆れながら俺を見上げていた。さすがに俺を手籠めにする余裕はなさげ。
ネンドクンの背に羽根が生える。鹿角を高速回転させながら俺へと飛んでくる。
絶妙な掛け声の叫びとともに瑠璃色の巨人が現れる。同時に。
「「やはりこいつを先に倒さないとな。スカシバレッド、見事な陽動作戦だった。君は言霊を解除できたよな」」
絶妙なハモりで褒められるが、意図したわけでないし、エナジーを消費して抜けだしたくない。戦いの第二ラウンドは始まったばかりだし、死ぬと太平洋上空に送りこまれる。今回だけは命を大事にしないとならない。かと言って、このまま身動きできないし、どうしよう。
美麗の女性がソードを両手に持ち、俺へと襲いかかる。
恨みを込めた寸止めだ。補助攻撃だけを斬った。――もちろん布理冥尊への恨みだ
リベンジグレイが言うけど、てっきり藍菜を轢いた俺への恨みと勘違いした。
とにかく俺は再び動ける
柳の化け物が口から濁流を空へと吐きだす。岩混じりだ。
スパローピンクも降りてこい。こいつらを四方から囲む
……やはり夜桜がいるのか。
敵にまわると、何よりも最悪だな
ウィローブルーがさらりとかわすので、またソーラーパネルを割ってしまった。
ネンドクンは光を避けられない。体に吸収するけど、
やはり、こいつはレベルが落ちている。俺ひとりだろうと敵でない。
柚香を連れ去ろうとして、俺の部屋を壊しかけた元本部の化け物に、恨みのXを当てまくる。